私は、健康産業という業界に身を置いて27年間という長い時間をかけて、健康の定義について考えてきました。人が健康でいるために最も重要な条件の一つに、体温が挙げられるという結論に私は達しました。
健康に関するテレビ番組や雑誌、講演などを見ても必ず出てくるキーワードに「免疫力」が在ります。この免疫力と体温は、比例関係にあるからです。このことは周知の事実ですし、当たり前の常識ともいえる簡単な理屈ですが、一般的に体温が低い方が多いのも紛れもない事実だと私は感じています。
体温を正常に保つことは免疫力が正常に働くことです。現代の特に若い方は、低体温が当たり前のように思っているように思います。身体が冷えていて体温が低い状態でいると風邪やインフルエンザなどのうつる病気に罹り易いだけではなく、花粉症やアトピー性皮膚炎の様なアレルギー疾患においても、症状が緩和されづらくなります。春の桜の季節が近づくと毎年マスクをした人が大量発生します。これも、花冷えと言う言葉で表現されるように、冬場からため込んだ身体の冷えにプラスして薄着になることで一気に吐き出す現象として花粉症は起こります。
ここで正常な体温について知っておいていただきたいと思います。正常な体温とは、何度くらいのことを言うのでしょうか?基本的には、36,2℃~37,2℃が正常な体温と言われています。この範囲以上でも以下でも免疫力は正常に働いていません。平熱が、36,2℃以下の人は、免疫機能が低下していると言う事に成ります。また、37,2℃以上の時も免疫力は異常に働いている事に成ります。
例えば、ウイルスや菌が体内に侵入すると、免疫力と呼ばれる血液は、外敵と戦い始めます。
その数が増えれば増えるほど全勢力を傾けて撃退しようと働きます。その結果、免疫力は必要以上に働いている状態で、体温も異常に上昇しています。この様に体温と免疫力は密接な関係にあります。
体温が36,5℃からたった1℃下がって35,5℃に成ると免疫力はどのくらい下がるのでしょうか?答えは37%も低下するというデータが在ります。逆に1℃上がって37,5℃に成ると免疫力は、5倍の500%働く事に成るそうです。
これほどまでに体温は、免疫力に影響力があるにもかかわらず、体温に対して気を使っている人は少ないように感じています。夏の暑い時期には、冷たい飲み物や食べ物に加えて、ガンガンに効いた冷房で身体を冷やしています。冬の寒い季節にも、街中を見ると生足に直接靴を履いている人やおしゃれを最優先に薄着の人を見かけます。また、1年を通して湯船に浸かる習慣が無い方が多くみられるようになりました。
体温については、今後もテーマを変えて記事をアップしていきたいと考えています。現代の生活環境の中では、習慣を変えるだけでは、なかなか健康になって行けない時代になってきていると思いますが、一人でも多くの人が、体温の重要性を理解して生活習慣を見直すきっかけになって欲しいと思います。