日本人にこそ必要!お塩の本当の重要さ、知っていますか?

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塩3種盛り

毎日の食事に欠かすことのできない調味料、お塩。ですが健康についての意識が高まるにつれ、お塩を控える習慣が日本中で定着しつつあります。確かに塩分の摂りすぎはよくありませんし減塩は大切ですが、控えすぎるのも実は問題があるということに意識される方は、意外と少ないのではないでしょうか。
特に、これから真夏にかけて汗と一緒にミネラルも塩分も失われる季節ですから、水分と一緒に補給をするように心がけたいものです。

運動をしている老夫婦

デパートやスーパーなどに行って塩の売り場を見渡すと、多種多様なお塩がズラーッと並んでいます。あまりに種類が多いため、どのお塩を選べばよいのか、判断がつかない方も多いのではないでしょうか。

お塩は何を基準に選べばよいのでしょうか?値段が高いほど良いお塩なのか?それとも内容成分?それよりも産地で選ぶのが安心なのでしょうか?

Contents

日本人の生活を変えてきた塩との歴史

日本人は農耕民族と言われていますが、もちろん最初から農作物中心の食生活だったわけではありません。ここで大昔に遡って、日本人の食生活の変化を解説していきます。

縄文時代の日本人の食生活

大昔の日本では、狩りや漁で食料を調達し、日々を暮らしていました。当時は現代と違って多くの動物が存在していたとはいえ、季節によっては動物が周辺に現れないこともあり、飢餓との戦いでもありました。

縄文時代の狩猟で捕獲した獲物を食べる

日本人のそれまでの食生活は、動物や魚の狩猟が主流でした。それも現代のように動物の肉だけを食すのではなく、動物の脳や骨髄、内臓まできれいに食べていましたから、塩分やミネラルを十分に補給できていました。

鮎の塩焼き

しかし、縄文時代の末期になると、狩猟生活から一変、食生活が大きく変わる出来事が起こります。中国から農耕が伝達されたのです。
ここから日本人の農耕中心の生活が始まりました。

弥生時代の日本人の食生活

縄文時代の末期に中国から伝達されて農耕生活が始まってからは、これまで飢えとの戦いだった毎日から解放されます。お米を始めとした農作物中心の食生活へ、日本の各地へ次々に広がっていきました。

弥生時代の農耕の姿

肉食から一変、菜食生活へ

ですが、ここで問題が起こります。それまで完全に肉食だった日本人が急に動物を丸ごと一匹食することがなくなったため、日本人に初めて塩分やミネラルが不足する自体に陥ってしまったのです。

それまでは主食だった動物たち自体が体内に塩分とミネラルを持っていたため、その動物の生肉を食べていた日本人は塩分とミネラルを十分摂取できていました。

塩作りの始まり

ヨーロッパやアメリカなどの大陸と違い、日本の地中には岩塩がないかわりに海水がとても豊富にあります。

ミネラルを豊富に含んでいる海水を海藻に繰り返しかけ続け、天日で干して塩の結晶を採り出します。いわゆる『藻塩づくり』の製法が確立されたのです。

砂浜の海藻イメージ

この『藻塩』技術で塩とミネラルを摂るスタイルが日常化していきました。海水そのものから作っているので、ミネラルも同時に摂取できますから、徐々に日本人の塩分とミネラル分の不足が徐々に解消されていきました。

これが藻塩づくりの起源と言われています。

海水はミネラルの宝庫

海水は人体の体液の成分と同じ成分が含まれていて70種類以上のミネラルが含まれています。
現代人にはミネラル不足が問題視されていますが、このミネラル不足解消には、海水から採取した自然なお塩は、まさに理想と言えます。

近代日本の塩の取扱い

時代が進み、藻塩の製法も進化してきました。焼いて短時間で塩を採取する方法や釜で海水を炊いて採取する方法など試行錯誤を繰り返し、平安時代くらいから海水を塩田に引き込んで塩を製造する方法が始まり、江戸時代中期頃から入浜式塩田を確立しました。その後も入浜式塩田は改良され、1959年までその製造方式が続きました。

梅干しを漬けてるイメージ

藻塩の製法も進化して効率よく生産できるようになったおかげで、調味だけでなく長期保存など様々な塩の活用方法が生まれました。

その間、明治時代に入り日露戦争などの戦費調達の目的で塩の専売制が引かれていきます。第一次世界大戦や第二次世界大戦の中、塩の生産が追いつかなくなりました。海外から輸入される量が徐々に増え続け、国内生産による需給率は20%まで落ち込みます。また、終戦後の高度急成長において各産業で塩の需要が高まったことで、さらに塩の生産効率を上げつつ原価も抑えるため、1965年に『イオン樹脂膜交換法』が確立されました。1971年には『塩業近代化臨時措置法』が制定され、全面的にこの方式に切り替えられたと同時に一般企業による自由な塩の製造や輸入が禁止されました。

しかし、これまで主流だった塩田を全て廃止し、塩化ナトリウムという高純度の塩のみを食用とすることに対し不安視する人や反対意見も多く、1973年には専売公社の輸入した自然塩ににがりを加えた『再生加工塩』が生まれました。さらに精食塩と高血圧の因果関係を指摘する医師の後押しを受け、1997年には92年間続いた塩専売法が廃止され、新たに塩事業法が施行。2002年には完全に塩の自由化が実現しました。

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